大人の矯正
大人の矯正
矯正歯科とは、一般的には悪い歯並びをきれいに治す治療のことをいいます。歯並びの改善をするだけではなく、発音障害を改善すること、前歯で食べ物をしっかりとかみ切ることや奥歯で食べ物を噛み砕くこと、きれいな歯並びになることで、歯みがきがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防につながります。さらに、成長期のお子様には、顎、顔の適切な成長発育を促す効果もあります。
すべて永久歯になる頃(12歳頃)から、「おとなの矯正」になります。おとなの歯の矯正、と言い換えてもいいかもしれません。矯正治療は中高生がやるものというイメージが強いかもしれませんが、最近は、成人になってから治療を始められる方も数多くいらっしゃいます。
歯の表面にワイヤーとブラケットと呼ばれる固定装置を装着して歯列を整えていく方法で、歯列矯正の中で最も広く行われています。数ミリ単位で歯の移動が可能です。
最近では、歯と同じ色の目立ちにくいブラケットやワイヤーが揃っており、素材を選ぶことで目立ちにくくすることが可能です。
マウスピース型の矯正器具を装着して歯を動かす治療です。マウスピースは透明のプラスチック製で、目立たず、周囲に気づかれずに治療が受けられるという特徴があります。取り外しが可能で、いつも通りに食事や歯みがきをすることができます。症例によっては、ワイヤー矯正との併用を行う場合もあります。
上顎(じょうがく)の糸切り歯(犬歯)が歯並びから飛び出している状態を八重歯(やえば)といい、歯並びが凸凹(でこぼこ)になっている状態を、乱ぐい歯といいます。これらは歯並びが悪い状態を指し、叢生(そうせい)とも呼ばれています。顎(あご)が小さいと歯が生える十分なスペースがないため、歯と歯が重なり合って、叢生が生じると考えられています。叢生は、歯みがきの時に歯ブラシが届きにくく、歯と歯の間に食べかすがたまり、むし歯や歯周病の原因となることがあります。
上顎の前歯が前に傾斜していたり、歯が前に突き出していたりする状態で、一般的に「出っ歯」と呼ばれています。見た目の問題や発音障害が生じるほか、口をしっかり閉じられないことで、口呼吸が習慣となり、口腔内の乾燥によりむし歯や口臭が起こりやすくなります。また、顔のけがで前歯を折ったり、唇を切ったりしやすくなります。
下顎(かがく)が上顎より前に突き出ている状態のことで、噛み合わせが反対になるので「反対咬合」とも呼ばれています。上下の前歯の傾きに問題がある場合と、下顎が大き過ぎたり、上顎が小さ過ぎたりする場合とがあります。顎の大きさが原因の場合、顎の骨の成長の目途がつくまで、経過を追っていく必要があります。うまく噛めないという症状だけでなく、聞き取りにくい話し方(発音)になることも少なくありません。一般的な歯科矯正では、歯の移動によって治療を行いますが、骨格異常や噛み合わせのずれが大きい場合は、外科手術が検討されることもあります。家族性の遺伝が関与していることがあります。
上下の歯の重なりが大きく、下の歯があまり見えない状態をいいます。下あごの成長を妨げたり、物を食べる時や物を噛む際に、上あごの歯ぐきに下の歯があたり、傷や口内炎が頻繁に起こることがあります。
上下の前歯がきちんと咬み合わない状態のことをいいます。前歯で食べ物をうまく噛み切ることができないだけでなく、正しく発音ができなかったり、咀嚼(そしゃく)がうまくできなかったりということも特徴として挙げられます。小さな頃の指しゃぶりや舌で歯を押す舌癖、遺伝的な問題も原因といわれています。
歯と歯の間にすき間ができている状態です。これは、顎の骨の大きさに対して、歯が小さい場合や本数が不足した場合にみられることが多いです。小さなすき間であれば、比較的容易な処置で改善することができます。